青汁は赤ちゃんにも安全? 「ブルーベビー症候群」予防に気を付けること

野菜の栄養がたっぷり含まれている青汁は、健康を気遣う人に人気です。
主にケールや大麦若葉等、栄養分が多い緑色の野菜を原料に作られているので、生まれたばかりの赤ちゃんにも良いと思われがちですが、生後4カ月未満の赤ちゃんには注意が必要です。
青汁の原料となる野菜を栽培するときに使う農薬や土壌の成分によっては、健康に悪影響を与えてしまうことがあるからです。

1956年、アメリカでは278名もの赤ちゃんが真っ青になり、そのうち39名が亡くなるという痛ましい事件が起こりました。
ブルーベビー事件と呼ばれ、世界中に衝撃が広がりました。この症状を引き起こした赤ちゃんたちは、離乳食として野菜を柔らかくしたものやジュースを与えられていました。
野菜に含まれる硝酸塩は、血液中のヘモグロビンを酸化させ、酸素を血液に運搬する働きを低下させます。
そのため、赤ちゃんは酸欠状態に陥り、チアノーゼを起こして青くなっていたのです。

大きくなれば、少量の硝酸塩が体内に入っても、胃酸が無力化してくれますが、生後4カ月未満の赤ちゃんは硝酸塩に勝つだけの胃酸がまだ分泌されていません。
日本でも、井戸の水で粉ミルクを溶かして飲んでいた赤ちゃんが、硝酸塩の中毒でなくなったケース等が報告されています。
青汁は野菜の成分をギュッと濃縮しているので、栄養価が高い分、硝酸塩が含まれる量も多くなります。

硝酸塩は自然界にも存在するものなのですが、農薬を使うことでさらに含有量は高くなります。

日本で作られている青汁の多くは、無農薬で作られた野菜や、硝酸塩の含有量の低い野菜を原料に作られているので安全性は高くなっていますが、購入の際には植物の種類やどこで、どのような方法で(無用薬か否か)栽培したのかをきちんと確認しましょう。
青汁は生後4カ月未満の赤ちゃんに与えるのは控えた方が良いですが、離乳食をはじめる5カ月過ぎになると、重症化の恐れが低くなるので、安全な青汁を少しずつ与えはじめても大丈夫になります。
野菜嫌いな子どもには青汁で代用してもよいでしょう。

ただし、青汁の中にはハチミツが含まれている商品もあるので、ハチミツ入りは1歳を過ぎてからにしましょう。

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